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2009年 02月 28日
ジャズエイジのミステリ
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クリント・イーストウッドの『チェンジリング』は、1920年代を描いた実話の映画化のようです

フィッツジェラルドはこの年代のことを“ジャズ・エイジ”と呼んでいて、
フィツジェラルドはヘミングウェイやフォークナーとともに強烈な個性を
放っていた作家は、確かに20世紀に大きな足跡を残しています

そのもっとも第一次大戦が終わって華やかに賑わうアメリカ、その時代背景
にしてサスペンスな物語が始まるのだけど、ちなみにこの時代のアメリカを
知るなら映画『華麗なるギャツビー』でもいいかも。

それに警察の暗黒を描いているのがエルロイ。
こちらは50年代ですけど、まさに20年代とかわらぬ世評です。
『ブラック・ダリア』を皮切りとした「暗黒のLA」4部作(『ブラック・ダリア』、『ビッグ・ノーウェア』、
『LAコンフィデンシャル』、『ホワイト・ジャズ』)を読むとまさにです。

時代が重要な要素であることは、ファースト・シーンの導入から総天然色でない青色を抜いた色彩
が微妙に時代しているのがなんともいい感じです。

そしてアンジェリーナ・ジョリー、画面に登場した時には「えっ、これがあのー」と、目を疑うばかりの
やせ細って疲れた感じが、いかにも働く女性の社会の位置づけが出ているシーンかもしれません。

そうこの映画ではシングルマザーとして一市民がようやく女性が社会進出した時代でもあった
ようで、それが職場に向かう紅い口紅が際立って、ハッとさせられるほど印象的。

たんたんと描写される日常に一転不幸が襲い、キャリア・ウーマンとしてのアンジーの
心のきしみが細かく細かく描きこまれていくだけに、対するこの時代の警察の横暴の限りは
よけいに信じがたいでもので、この警察とひとり戦うことになるあたりは、いかにもアンジーの
好演をひきだすイーストウッドの演出力かもしれません。

行方不明になった子供がチェンジリングされてしまって、別の子供連れてきた警察に、
自分の子供でない証拠を探し出すと、好ましくない母親として改心させるために精神病院に
入れてしまう、そこには同じような人が何人もいるのがまた怖い!

物語はこれだけに終わらず現代の鏡のような連続幼児殺人事件やらミステリの要素が
ぎっしり詰まって、サスペンスの息をきらさない映画になっているのでご用心です。

それにアンジェリーナ・ジョリーのファッションも見ものです。

ファッション・チェックしている余裕のない映画ですけど、アンジェリーナが登場するたびに、そ
の20年代ファッションは目を奪われます。

20年代と言えば、自立した女性、働く女性が増え始めた時代で、髪は短く、胸や腰のラインは
強調しない感じで、クローシュ、ゆるいフィット感のローウエストワンピース、ストラップシューズ。

それに紅い口紅。

あのシンプルで直線的なシルエットと、女性的なラインや装飾ぽさのないデザインが似合ってますねぇー
もう一度見てみたいスタイリングでもありましたぁ~

by masoon3go | 2009-02-28 23:17 | MOVIE


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